立命館大学 エクステンションセンター

監査

女性のライフプランに合わせて 働けるのが公認会計士の魅力です。

土方 晴夏さん

2016年国際関係学部卒業

2017年監査法人に入所

Q. 公認会計士を目指したきっかけを教えてください

自立した女性として歩むため、主体的に働き方を選択できる公認会計士を選びました。

 経済的にも社会的にも自立した女性になりたくて、学生時代から「自分の理想とする働き方」に人一倍のこだわりがありました。特に「出産や育児でキャリアにブランクができても、離職前と同等の待遇で復職できる仕事であること」「子育てに必要な収入を十分に得られること」を、職種を選ぶ際のポリシーにしたのは、子育て後の復職や収入面で苦労していた母の姿を間近で見ていたことが影響しているかもしれません。
 自分の理想を叶えるには、時代や運に左右されがちな就職活動に時間を費やすより、努力次第で道が拓ける資格の取得に注力した方が現実的だと考えました。そして、社会に出た後も、さらに選択肢を広げられるよう、高度な専門分野で実務経験を積めることが望ましいと思い、あらゆる難関資格の中から、公認会計士を目指すことにしました。資格取得者の多くが大手監査法人へ就職し、さまざまな業種の経営活動に携わりながら実力が磨けるところも、公認会計士の仕事に強く惹かれた理由です。
 2回生から始めた、専門学校とのダブルスクールは想像以上にハードでしたが、専門学校のオンライン授業を併用して、大学の正課授業とバランスを取りながら試験勉強に集中することができました。

Q. 現在の業務や仕事のやりがいについて教えてください

監査業務と真摯に向き合い、日本の証券市場を支える裏方的な仕事に意義を感じています。

 現在は、上場企業の法定監査や非上場企業の任意監査として、監査計画の立案、内部統制の整備、運用状況確認の工場・支店往査、四半期レビュー、期末監査などを行っています。具体的には、書類のチェックや会社へのヒアリングを行い、財務諸表上の異常点や会計処理の実施状況を確認。不正や誤りがあれば検討した上で調書にまとめます。また、クライアントから会計処理業務に関する相談があれば、業態ごとの基準や他社事例を参考に回答します。当監査法人では1人あたり、上場・非上場合わせて年間3〜4社程度のクライアントを担当しており、業種もさまざまです。私もこれまで、素材メーカーや商社、不動産業などさまざまな業界の監査業務を経験しました。
 滞りなく職務を全うするには、各業界に関する理解が不可欠で、常に新たしい知識や情報をインプットし、学び続ける姿勢が求められます。希望すればアドバイザリーやメンターなど非監査業務にも従事でき、最近では、中小企業経営者との事業プラン立案のプロジェクトでメンターも担当しました。こうした経験は、通常の監査業務においても良い刺激になっています。また、業務フローの改善策を提案し、会計処理の相談に応じる中で自己価値が見出せることも、モチベーションアップにつながっています。監査は、日本の証券市場を整え、支える存在。社会的意義のある仕事に取り組んでいると感じています。

Q. 将来の夢は何ですか

海外留学で語学力を磨き、帰国後はこれまでの経験を活かせる職に就きたいです。

 来秋退職し、長年の夢だったカナダへの語学留学を予定しています。帰国後は修得した英語力と、これまでの実務経験を強みに、海外に拠点を持つ企業への再就職を視野に入れています。4年間、監査業務に携わる中で、自分の手で財務諸表を作成したいという思いが芽生えてきたので、次の就職先では経理担当としてその目標を成し遂げるつもりです。
 留学で所属法人を離れても、復職やさらなるキャリアアップが目指せる点が、公認会計士のメリットの一つではないでしょうか。

Q. 公認会計士を目指す後輩の皆さんに一言お願いします

正しく知識を積み重ね、努力を継続できれば、きっと合格を手にできます。

 公認会計士の資格取得までには、試験合格後、補修所への通学、2年の実務経験、そして修了考査での合格と、最短でも約5年の努力が必要です。たしかに大変ではありますが、試験勉強の過程で、企業経営に必要な会計知識が身につき、さらに監査法人での実務を通して多岐にわたる業界の企業経営をサポートすることは、公認会計士の道を選んでいなければ得られないものばかりです。膨大な学習量と、継続的な努力が求められるのが、会計士試験が難関と言われる所以です。しっかりと努力を続けることにより、生涯にわたり自分らしい働き方やライフプランが描けます。ぜひ、目標に向かってまっすぐ突き進んでください。