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2013.09.11

「2013年日本液晶学会討論会」にて虹彩賞を受賞

2013年日本液晶学会討論会(9月8日10日、大阪大学豊中キャンパス)において、本学生命科学研究科 博士前期課程1回生の杉本菜々さん(応用化学コース・高分子材料化学研究室)が虹彩賞を受賞しました。

 発表タイトル

金錯体を利用した発光性キラルネマチック液晶材料の発光挙動」

 研究概要

 一般的な発光性の有機化合物は固体などの凝集状態において発光効率が著しく低下することが問題となっています。われわれは固体中でも強い発光を示す材料を合成しようと考えました。そこで固体状態でも強い発光を示すことで知られる金Au錯体に注目し、いろいろな構造の錯体の開発を行っています。今回、杉本さんは、不斉炭素をもつ全く新しい金錯体を世界で初めて合成し、この化合物が室温より少し高温に加熱することで液晶状態(キラルネマチック相)になることを発見しました。合成した錯体は固体中や液晶相でも強く発光することが確認されました。また、分子の構造と分子の並び方を変えることで発光色を制御できることも見いだしました。このような研究成果が評価され、今回の受賞に到りました。キラルネマチック相で発光させることで、レーザー発振など非常におもしろい機能を示すと予想されており、今後の研究の発展が楽しみです。