参加学生によるプログラム・レポート

アクティビティレポート④(2016年派遣:タマサート大学)

Thammasat  | 2016年12月15日

国際関係学部 吉野 一輝さん(2回生)

タイ・タマサート大学での国際PBL(Problem/Project Based Learning)プログラムを経て留学を通して学んだこと・達成したことをテーマに今後の課題も含めて話したいと思います。

国際PBLプログラムは渡航先のASEAN諸国政府の抱える政策課題・社会問題をテーマに問題・課題解決に必要な「思考ミックス能力」を身に付けることを学生に期待しています。

日々の留学生活の中で日本と異なる環境下で、タイ独自の生活に親しみ海外で生きてゆくためのバイタリティを得ることができます。例えばタイの雨季には午後になるとスコールが降ります。それと同時に交通渋滞が発生することがよくあります。そしてこのような条件に置かれたときベストな移動手段はどうであるかというような判断を日常的に求められました。

PBLの渡航先としてタイを選ぶということは何を意味し、どのような魅力があるのか改めて振り返ります。

タイ王国は東南アジア屈指の物流・製造の拠点です。それに伴い日系企業が現地に進出し、大都市のバンコクでは留学生のみならず多くの日本人が生活しています。バンコク在住の日本人の人口は中国・上海と並び四万人越えています。チャイナプラスワンの動きに従い、東南アジアはさらなる注目の的になるでしょう。

コミュニティ形成の点でバンコクを留学先に選ぶことは学生にとって非常にメリットがあり、ここでの人々との出会いは大きな収穫でした。留学先のタマサート大学にはASEAN内からの国のみに留まらず、100以上の国から学生が集まり、タイ人学生に加えてこれらの留学生と共に学ぶことができる環境に恵まれます。また日本国内の他大学からの学生も多く集い、タイでの留学に熱を注ぐ学生から多くの刺激を受けました。今年度は立命館大学の他には把握している範囲で20以上の大学からの派遣生が来ています。この中には私たちと同じようにAIMSの学生として来ている学生もいるので、タマサート大学の生活では互いに同じ日本人として協力し合うことも大切です。そして上記にあげたように、現地でご活躍されている日本企業・政府機関や立命館大学タイ王国校友会の方々と交流させていただくチャンスも自分の行動次第で掴むこともできるでしょう。

PBLプログラムにおいて期待したい点がタイ渡航前の情報量の圧倒的な少なさの改善です。これは多くの学生が学部・授業・アパート決定のプロセスの段階から直面するでしょう。しかしこのような課題を自ら解決し理解するに導いてゆく過程で交渉力・情報収集能力・環境適応能力が鍛えられたのではないかと思います。まさにPBLそのものではないでしょうか。

タマサート大学の場合PBL派遣生で各学部の提示する要件(英語資格・GPA等)を満たすことで学生の希望する学部に所属することが出来、またその学部での最低履修単位数をクリアすると他学部の講義も履修できます。多くの講義は英語で開講されるので興味、関心のある授業をタイ語の心配なく受講できます。タイ語に特化したい人は渡航前に立命館大学で開講されている初級タイ語を履修しておくことを強くお勧めします。タマサート大学のタイ語クラスには主にBeginning ThaiとElementary Thaiの二つの初級クラスがありますがカリキュラム構成に問題があるとの声が多くあります。そのためこれがタイ語を習得したい学生が語学学校に通う理由となっているでしょう。

またタマサート大学には多くの学部がありますが留学生の中でも学部によってモチベーションが大きく異なります。タプラチャンキャンパスにおいてはBMIR(政治学部)という学部に優秀な学生が集まり、Thai Studies(タイ研究)やSEAS(東南アジア研究)などの学部は初心者向けといったイメージが強く定着しています。評価が高いとされる学部ほど語学要件も高く、授業のレベルや課題の量は大変になると思いますがその分の習得できる学びも大きいのではないかと感じました。振り返ると留学前での下準備がいかに重要であることであるかを再認識します。

以上の点を踏まえて立命館大学PBL生同士の結びつきが重要であると感じました。国際教育センター主催の留学生との企画や、PBL科目履修時に派遣生の交流はありますが、まだまだ繋がりが弱いと感じています。学生同士の結びつきは渡航先での学習・生活を円滑に送るためにも強化されることを期待し、帰国後は私たち3期生もこれに貢献したいと願います。

  

オリエンテーション時 

立命館大学タイ王国校友会の皆様と


Elementary Thaiの授業