参加学生によるプログラム・レポート

アクティビティレポート⑤(2016年派遣:タマサート大学)

Thammasat  | 2017年01月26日

政策科学部 杉野 皐月さん(3回生)

私はタマサート大学の教養学部東南アジア研究に留学しています。今回はPBL科目について報告したいと思います。私はPBL科目としてCivic Educationを受講しています。この授業はタマサート大学の1年生は受講必須の科目です。いわば基礎演習のようなものです。また、この授業は異なったバックグラウンドの人たちのことを理解し、また色々な知識を高め合うためにと、様々な学部の人が混合されています。授業が土曜日の午前に開講されているということもあり、クラスには留学生は私ひとりしかおらず、40人ほどのタマサート大学の学生と毎回授業を受けています。この授業は基本的にグループワークです。10人程度のグループが事前に先生によって決められています。このグループは変わることはなく、1セメスターずっと同じメンバーとともに活動します。各授業でそれぞれテーマがあり、冒頭の30分ほど先生の講義を聞き、それについてグループで話し合い、最後に口頭やポスターを作製し簡単なプレゼンをするという形の授業です。そして最終課題では自分たちで1つのプロジェクトを考え、実行し、プレゼンし、どのグループが良かったかを競います。


私たちは最終プロジェクトで、WatPlengコミュニティにある水質汚濁がすすんだ川の水をきれいにするという取り組みをしました。EMボールという自然成分を材料にした泥だんごを作り、それによって水をきれいにするというプロジェクトです。また、一回きりではなく継続して行えるようにコミュニティの方々に泥だんごの作り方のワークショップも行いました。


この授業の中で私が一番苦労したのは言葉です。英語開講の授業だったのですが、周りはすべてタイ人なのでグループディスカッションやLINEでのやりとりは自然とタイ語になっていました。LINEの会話などはわかる単語から推測したり、時には辞書を使い大まかな内容を読み取ったりといろいろと試行錯誤しました。また、授業内でタイのコミュニティを訪れて問題発見をするという課題がありました。当然コミュニティの人たちは英語を話すことができないので、タイ語しか通じません。私はすごく悩みました。最初の方はなぜ英語で会話をしてくれないのかとイライラすることも多々ありました。しかし、これはタイ語を伸ばすチャンスではないかと発想を切り替えてからは気持ちが楽になりました。また、時間が経つにつれてグループでも信頼関係を築くことができ、沢山の友人もできました。私が困っているとき助けてくれたり、私もタイ語でわかることが増えてきたりと後半にはイライラは消えていました。授業時間、授業を受ける姿勢など日本とは異なる文化がたくさんあり、途中でドロップアウトしようかなと思ったこともありましたが、今となっては日本と異なる環境で異なる国の同じ世代の学生たちとグループワークをすることができた経験は、私を大きく成長させてくれたと思います。