参加学生によるプログラム・レポート

アクティビティレポート⑥(2016年派遣:タマサート大学)

Thammasat  | 2017年02月24日

経済学部 和泉 郁香さん(3回生)

タイの開発経済学

過去の自分の研究より、限界集落の活性化や One Tambon One Product:地域活性化プロジェクトに興味があり、今現在は活気がなくこれから成長や安定見込みもしくは可能性のある郊外に視野を当てていた。しかし、「タイの開発経済学」の授業では個人の研究テーマを「バンコク」がどのように発展を遂げ、今どのような問題を抱えているのかに設定した。バンコクの成長の鍵は華僑の活発な経済活動であり、現にバンコクで暮らしているタイ人の約80%以上は華僑である。その発展の原点となったローカルチャイニーズマーケットへ行きインタビューを行った。

さらにバンコクと言えば「渋滞」と言われるほど中所得者の増加が著しく経済成長が激しいと言える。 バンコク(タイ全体を見ても)は他のASEAN諸国に比べ都心はインフラが整い、高層ビルが立ち並び、全体的な写真を見れば先進国ではないかと思うほどである。更に、教育に対する熱意が強く、高学歴人口も増加している。しかし、なぜ渋滞が起こるかというと、その理由は間違えなく中所得者(車所有者)の増加であり、その国民性とも言える。そもそもなぜ中所得者が増加すると渋滞するか。それは、タイ政府は道路を作る際、その利用者をタイ国民全体もしくはバンコクに住んでいる人ではなく、富裕層いわゆる高所得者のみをターゲットとしていたからである 。例えば、日本では車を買う際に車庫証明が必要不可欠だが、タイでは車を買う十分なお金があれば購入可能で、むしろ1台目の車を購入する際はディスカウントが付いてくるほど、購入者に優しい。さらに、人口密度が高いシンガポールでは、車で市内に入る際、料金を支払わなければいけないので、都市部の車の数は圧倒的に少ないと言える。次に国民性とあったが、まだバンコク全体に公共交通機関が充実しているかと言えばそうでないが、中心部は何不自由することなく、電車、地下鉄、バス等が発達している。けれど、各世帯が子供の学校の送り迎えに自家用車で行うためさらに交通渋滞が尚一段とひどくなる。一方でタイ政府は2025年までにさらなる電車の路線拡張を計画しており、現状の改善に尽くしている。 

   

    都市部                 電車の駅