教員紹介
Hironao AMBO
安保 寛尚

- 専門
- スペイン語
現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
キューバ文学を研究しています。今日キューバは、スペイン系白人と黒人が混血した国として知られています。しかし1886年まで奴隷制が続いたこの国で、黒人的要素は長い間軽蔑の対象でした。それがどのようにしてキューバのアイデンティティの一部として認められるに至ったのか、そのプロセスを批判的に分析し、解明することに取り組んでいます。
どんな学生時代を送っていましたか。
人一倍、いや人100倍は海外への好奇心を強く持っていました。たくさんの外国語を勉強しました。でも欲張りすぎて身につかなかったことをちょっぴり後悔しています。それから、体を動かすのが好きで、体育会系のテニス部に所属していました。
転機は3回生のとき。ゼミの先生が、ラテンアメリカの様々な楽器を演奏して歌うのにあこがれて、クラシックギター部のドアを叩いたんです。それからは、すべての授業の空きコマはもちろん、休みの日には朝から、守衛さんに追い出される深夜までギターを弾き続ける日々が始まりました。チリ大学に留学中は、高等音楽院やフォルクローレの教室に通い、チリ人の友人たちと教会で演奏したりしました。
現在の専門分野を志した理由・きっかけを教えてください。
チリの書店で出会った一冊の詩集が、ぼくの道しるべになりました。「ソンゴロ・コソンゴ・ソンゴ・ベー」なんだかわからないけれど、それまで感じたことのないスペイン語の音の並びとリズム。太鼓の音をことばで表現したキューバの黒人詩とわかったのは、しばらく後のことです。偶然でしたが、遠い世界にあこがれ、スペイン語と音楽に打ち込んできたからこその運命的な出会いだったと、今では思っています。