教員紹介

Tokuya SHINATANI

品谷 篤哉

品谷 篤哉
専門
商法

現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

研究テーマはインサイダー取引です。一般にインサイダー取引とは、未公表の重要情報に基づく取引と理解されています。ガンの特効薬の開発に成功した製薬会社の取締役が、当該事実が未公表のうちに上場している自社株を買い付け、公表されて株価が上昇した後に売り付けるような行為がインサイダー取引の典型です。やましく、後ろめたい行為に感じられるでしょう。しかしながら法と道徳は別です。道徳的にはよろしくない行為でも、法律で規制されるべきとは限りません。規制されるべきだとすれば規制の根拠は何かが問われます。やましさを感ずるのはなぜか、誰のどのような行為が規制されるべきなのかについて検討しています。

どんな学生時代を送っていましたか。

カネはなくても時間はあったので、海外旅行をはじめ、いろんなことをしていました。高校生では校則に縛られてできず、社会人では時間がないためにできないことです。そして自分のしたいことに必要な資金を調達するために、アルバイトもしていました。時間に追われる現状に照らすと、あまり時間を気にしなかった学生時代がとても贅沢に感じられます。また、合理性・効率性の観点では決して褒められない贅沢な毎日の過ごし方を黙認してくれていた両親に、感謝することしきりです。

現在の専門分野を志した理由・きっかけを教えてください。

現在の専門分野である商法のゼミに所属していたことがきっかけです。学部のゼミ選択に際し、興味のあった分野のゼミをいくつか志望・申請したら、結果的に商法ゼミとなりました。特に商法へ執着があったわけではありません。現在でも「となりの芝生」のように、他の分野が面白そうに見えることはしばしばです。もっとも企業組織と企業取引を両輪として、大胆と精緻、実務と理論、経済活動と法的戦略等が混在・錯綜する商法の分野に興味が尽きることはありません。

受験生のみなさんへのメッセージ

法律学の特徴の1つは高度の論理性です。他人を説得して自己への賛同を得ようとする場合、論理的な説得力が欠かせません。こうした論理性は、高校までの学習では主に数学で習得します。法学部は文系の代表的学部で、入試の受験科目は国語・地歴公民・外国語の3つが典型とされますが、実は数学的思考も欠かせません。法学部を志望する人は、数学も勉強しておいてください。また数学の得意な人は法学部への進学も検討してみてください。

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経歴・業績について