教員紹介

Tadashi YAMAMOTO

山本 忠

山本 忠
専門
社会保障法

現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

今日の日本の雇用・労働市場では非正規雇用が4割に及んでおり、そのため不安定な労働・生活を余儀なくされている国民が増えています。こうした雇用と労働の変化について働き方の多様化が進み個人の選択肢を増やすものとして肯定的に評価しようという立場もありますが、労働者の生活を一層不安定にするものとして危険視するとらえ方もあります。まともな人間らしい生活を保障することを本来の役割としているはずの社会保障は今後どうあるべきか研究しています。

どんな学生時代を送っていましたか。

学部は法学部でしたが、勉強以外のいろんなことに首を突っ込んでいました。正課の活動では、ゼミ報告をするために失業対策事業で働く高齢者の話を一人で聞きとりに行ったことが印象に残っています。課外活動では、合唱をしたり、コンサートを開いたり、喘息児童のキャンプのボランティアなどをしていました。アルバイトは家庭教師や新聞配達をしていてけっこう忙しかったのですが、いきつけの名曲喫茶の常連客と遅くまで談笑したという記憶も鮮明に残っています。

現在の専門分野を志した理由・きっかけを教えてください。

学生時代にいろんな経験をし、いろんな話を聞いたことがベースにあると思います。上に書いた高齢者の聞き取りでは、どういう時代にどういう風に生きてきた人たちがどうしてここで働くようになったのか、仕事のこと、家族のこと、かなり具体的におばあさんが話してくれたことが今でも印象に残っています。また、当時は堀木訴訟という有名な社会保障裁判を支援する全国の学生のネットワークがあり、それに共感して活躍している先輩の話を聞いたことで、その裁判運動の代表だった小川政亮先生の社会保障法ゼミに入ったことも大きなきっかけでした。

受験生のみなさんへのメッセージ

法学部は、弁護士や裁判官のような法律家を養成する学部というイメージをもたれがちですが、実際には社会の様々な領域に多様な卒業生を輩出しています。立命館の法学部は歴史がありますので、社会の様々な領域で多くの卒業生が活躍していますが、それだけでなく、規模も大きいので、全国各地から多様で個性豊かな学生が多く集っています。そうした学生同士や先輩後輩が互いに学びあい、支えあい、育ちあう関係があるのが立命館の法学部です。みなさんもこの学びの輪にぜひ参加してみませんか。

おすすめの書籍
13歳からの法学部入門荘司 雅彦(幻冬舎)

経歴・業績について