研究活動

「環境と災害研究」
リサーチユニット

「人間」「環境」をキーワードに、自然災害や事故、犯罪、健康など、人間活動・生活に深くかかわる危険やリスク、安全・安心に関する幅広い研究に取り組んでいます。

研究のねらい

人間の営みの背後にある環境に焦点をあて、人間と環境との相互関係を解明するリサーチユニットです。特に、自然環境と人間活動・生活との相互関係により生じる事象である水害や土砂災害、地震災害、獣害、疫病などの実態分析と予防の可能性を研究しています。また、人間が作り出した建造環境における犯罪や健康に関する研究にも取り組んでいます。

研究スタッフ

  • 河角 直美准教授

    研究テーマ

    日本の近代における環境と人間との関係史

    専門分野

    歴史地理学、デジタル人文学

    キーワード

    環境史、近代都市史、記憶、歴史GIS、近代京都

  • 高橋 学特任教授

    研究テーマ

    自然環境の変化と人間生活のかかわりについて

    専門分野

    環境考古学、災害リスクマネージメント、自然地理学

    キーワード

    環境史、土地開発史、災害史、災害リスクマネージメント

  • 花岡 和聖准教授

    研究テーマ

    災害に対する社会的脆弱性評価

    専門分野

    地理情報科学、人文地理学、災害科学

    キーワード

    GIS、ビッグデータ、人口分析、災害復興

  • 松永 光平准教授

    研究テーマ

    土地利用変化と環境との関係

    専門分野

    地理学、環境史、自然地理学、環境地理学

    キーワード

    環境問題(とくに砂漠化)、災害、アジア、中国

  • 村中 亮夫准教授

    研究テーマ

    持続可能な社会のための防災と環境保全の地理学研究

    専門分野

    人文地理学、環境学、地理情報科学

    キーワード

    人間と環境、持続可能性、GIS、統計、社会調査

研究成果

人間活動・生活と密接した地域における自然の営みを研究することにより、人間と環境との相互関係を解明してきました。そこで得られた知見を京都という日本を代表する古都の歴史と災害との関係史に反映させ、文化遺産とともにある地域の防災を考える研究にも取り組んできました。また、地理情報技術を活用して犯罪や健康に関するデータを解析し、犯罪・健康の地域差とこれらを生み出す背景の検討を行ってきました。立命館大学歴史都市防災研究所立命館大学環太平洋文明研究センターの活動と深く連携し、研究成果の社会への還元も積極的に行っています。

主な論文

  • 高橋 学(2021)「不適切な土地開発が拡大させた災害―2019年台風15号・19号災害を中心に―」、環太平洋文明研究、5、76-94。
  • 松永光平(2021)「2010年における京都盆地の気候の特徴」、立命館文學、672、966-952。
  • 河角直美(2019)「近代京都における土地利用と地形環境」、環太平洋文明研究、3、91-102。
  • 河角直美(2019)「『京都市明細図』と洪水の歴史」、上杉和央・加藤政洋編著『地図で楽しむ京都の近代』、風媒社、100-105。
  • 高橋 学(2019)「環境史からみた島嶼の災害リスクマネージメント」、月刊地球、41(11)、644-651。
  • 高橋 学(2019)「環境史・土地開発史・災害史からみた災害発生メカニズム―2018年大阪府北部地震・7月豪雨・北海道胆振東部地震の場合―」、環太平洋文明研究、3、1-22。
  • 花岡和聖(2019)「『歴史地名辞書データ』を用いた集落地名の地域性の可視化」、歴史都市防災論文集、13、185-192。
  • 村中亮夫・浅妻 裕・谷端 郷・米島万有子・高橋伸幸(2019)「自助・共助のための防災マップ作成ワークショップの実践と課題―北海道石狩市における水害・土砂災害を事例として―」、地理科学、74(2)、70-89。
  • 河角直美(2018)「近代京都における市街地の拡大と近郊農村の景観変化」、環太平洋文明研究、2、79-86。
  • 高橋 学(2018)「内陸直下型地震・火山噴火・プレート型地震発生モデル―巨大地震・大地震・火山噴火発生前後―」、環太平洋文明研究、2、1-16。
  • Hanaoka, K. (2018) New insights on relationships between street crimes and ambient population: Use of hourly population data estimated from mobile phone users’ locations, Environment and Planning B: Urban Analytics and City Science, 45 (2), 295-311.
  • 松永光平(2017)「中国農業の環境・資源制約―政策・技術的対応の到達点と課題―」、田島俊雄・池上彰英編『WTO体制下の中国農業・農村問題』、東京大学出版会、143-164。
  • 村中亮夫・谷端 郷・塚本章宏・花岡和聖・磯田 弦(2017)「津波地名やその由来は継承されるのか?山奈宗真著『岩手沿岸古地名考 全』の追跡調査」、地理科学、72(4)、223-246。
  • 花岡和聖(2016)「全国版の小地域マイクロデータの構築と災害分析への活用―国勢調査・匿名データの利用―」、地域安全学会論文集、29、247-255。
  • 松永光平(2016)「気候変動下における干ばつ多発化に対するオーストラリアの小麦生産の頑健性―1982年~1988年サウスオーストラリアマレーマリー地域を事例とした一考察―」、立命館文學、645、383-371。
  • 村中亮夫・上杉和央(2015)「京都府宮津市における身近な地域の文化財・景観の社会経済評価―支払意思額と労働意思量の地域差に着目して―」、人文地理、67(3)、187-206。
  • 松永光平(2013)「農林業政策からみた中国社会の持続可能性」、厳網林・田島英一編著『アジアの持続可能な発展に向けて―環境・経済・社会の視点から―』、慶應義塾大学出版会、213-230。

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