立命館アジア太平洋大学の取り組み

聴覚障害者の社会進出・自立支援をサポートする「Fingertalk」が
『大学SDGs ACTION! AWARDS』グランプリ獲得

国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成を目指して活動する学生や若者を応援する「大学SDGs ACTION! AWARDS」(主催:朝日新聞社) で、立命館アジア太平洋大学の団体「Fingertalk」がグランプリを獲得しました。差別意識の根強いインドネシアでは、障害者の多くが失業し、貧困に苦しんでいます。聴覚障害者・視覚障害者などの障害者に社会進出や自立支援をサポートするこのプロジェクトは、これまでに農村部や紛争後の地域を含め、1,000人以上の人々に働く機会を提供してきました。

「Fingertalk」の活動の中で、より多くの人々へ影響を与えるべく始めたのが「Plushindo」プロジェクトです。これは聴覚障害者の若者がぬいぐるみを製作し、国内の子どもたちに配布するほか、国立公園などでも販売するという取り組みです。ぬいぐるみのモチーフはインドネシアで絶滅危惧にあるオランウータンやコモドドラゴンなどの動物です。このプロジェクトは環境問題について子どもたちに学ぶ機会を提供するだけでなく、絶滅危惧に瀕した動物が生息する地域で、地方自治体や国立公園と協力することにも繋がっているといえます。このぬいぐるみがインドネシアの観光と生物多様性における豊かさをより幅広い観光客に伝えると同時に、環境問題について提起する効果的なツールとなるからです。「Plushindo」プロジェクトは人々に平等の概念を再認識してもらい、障害者の貧困からの脱却、働き甲斐の提供、また教育を通して環境と絶滅の危機にある動物を保護するという意識を育てます。環境意識を高めることで、海と陸上の生物多様性の維持に寄与することができると考えています。

その他の学生活動として、環境問題に取り組む学生団体による「エコウィーク」が学内で開催され、環境保全に関する写真の展示やカフェテリアでのステンレスストローの販売、アップサイクルワークショップなどを行いました。また昨年、大学の授業の中で行われた「ECOキャンパスアイディアコンテスト」からでたキャンパス内でできる環境への取り組みとして、学内にボトル給水器の設置を検討しています。

このように環境問題や社会課題にアプローチし持続可能な発展について知ってもらうことこそが、地球環境を変えていく大きな力となるでしょう。立命館アジア太平洋大学としてもその活動に寄り添い、今後も支援していきたいと思います。

APU における「ECO キャンパスアイディアコンテスト」の取り組み

アジア太平洋学部のジョーンズ トマス エドワート(JONES Thomas Edward)准教授の「環境と社会」の授業において、キャンパス内でできる環境への取り組みを競う試みとして、「ECOキャンパスアイディアコンテスト」か開催されました。30の学生グループによる予選が毎週繰り広げられ、熱戦を勝ち抜き、選考された10グループが最終プレゼンテーションを行いました。

200人を超える学生のうち国際学生が半分以上を占め、出身国も様々なこのクラスでは、最初は環境に対する意識が様々でした。コンテストの場でAPUの職員との直接意見交換を通して、学生のモチベーションもあがり、授業に対する意欲も高まり、環境への意識も変わって来たとのこと。

学生や職員による審査の結果、ベトナム学生の「ストロー」に着目したアイディアが、今年度のWINNERに選ばれました。小さな物でも世界では毎日10億本以上が消費されており、ストローはその小ささからリサイクルされることはほとんどありません。海に流れ込んだストローは海洋プラスチック汚染として海洋生物に誤飲されていくのです。スターバックスでは2020年までにプラスチック製ストローの使用を全面廃止することを発表しています。

そんな中、個人が簡単に取り組むことができるとして考案された「バンブーストロー」は、既に実用化され、APU学生が別府市内で運営するカフェにて販売されています。自然素材のストローを利用することでプラスチック製ストローの消費量を縮小できるように、今後はキャンパス内のカフェとコラボして、バンブーストローの使用を増やしていきたいと学生たちは考えています。

その他の興味深いアイディアとしては、飲料をボトルに注ぐ機械を設置し、ペットボトルの使用を減らす目的のエコボトルがありました。新入生にはロゴ入りボトルの配布も検討したいとのことです。他には、カフェで毎日たくさんの食材が廃棄されることに着目し、19:00(夕刻)以降は500円で食べ放題にするなど、学生ならではの面白いアイディアが発案されました。また、リサイクルBOXの設置については、古本の回収やインクカートリッジの回収など、すぐに実現可能なアイディアも多数ありました。

今後の取り組みとしては、学園にて毎年行われている立命館地球環境委員会の「Sustainable Campus Idea Contest」に多くのアイディアを出したいというジョーンズ先生。そのアイディアを実現させるために必要なのは、意識付けと継続していくこと、とのこと。キャンパス全体で同じ意識を共有していくことや小さなライフスタイルの変化が、キャンパス内に留まらず、地球環境や社会を変えていく大きな一歩になるのではないでしょうか。

バイオトイレの活用方策や国際協力について考える

須藤ゼミでは途上国でのバイオトイレの活用方策について議論

2017年6月の「国際協力ウィーク」期間中、地元大分の株式会社ミカサのバイオトイレ「バイオミカレット」をキャンパスに展示し、実際に使ってもらい、途上国での活用方策や国際協力について考える取り組みが、アジア太平洋学部の須藤ゼミによって行われました。

このバイオトイレは、人間の排せつ物の水分を杉チップなどの媒体に吸着させ、ヒーターで温度管理しながら処理槽内を撹拌し、酸素を取り込みながら微生物を活性化させることにより、微生物が少量の固形物を水と二酸化炭素に分解、水分を蒸発処理させるものです。水が確保できず、下水道設備の無い場所や浄化槽を設置できない環境でもトイレを設置することが可能で、面倒な汲み取り作業はなく、手間をかけずにトイレを設置することができます。悪臭はなく無臭に近い状態で、清潔且つ快適なトイレ環境を維持でき、据え置き設置型のため、大がかりな工事は不要で、電源のみでの省資源、低ランニングコストで稼働します。また、電源のない環境下でも太陽光発電などの自然エネルギーを活用すれば設置は可能となります。

設置期間中のアンケートにおいては、学生たちからは、「使いたい」、「悪くない」と肯定的な意見が75%を占め、「いくらであれば使用料として支払ってもいいか?」という支払い意志額(Willingness to Pay)についての質問に対しては、30円から100円の範囲にほとんどの回答が集中するという結果が得られました。また、開発途上国出身の学生からは、「自分の出身国の農村にはトイレがないため、このようなトイレのニーズは高いのではないか」との意見の一方で、「排せつ物は肥料として使用されるため、このトイレが設置されれば農民が困るのでは」といった意見も得られました。

この取り組みを通して、学生たちは、大分の企業の優れた技術や開発協力の実践を学ぶと共に、地球環境保護、持続可能な社会を考える機会となりました。須藤ゼミでは、引き続き、カメルーンを初めとする発展途上国での衛生改善に貢献するミカサのODA事業に協力していきます。

気候変動に関する太平洋諸国駐日大使コンファレンスを開催

2016年6月10日(金)、立命館アジア太平洋大学(APU)は太平洋諸国6カ国の駐日大使・外交代表を招き、太平洋諸国駐日大使コンファレンスを開催しました。APUでは、数カ国・地域にスポットを当て、その国の言語や文化を週替わりで紹介するイベント「マルチカルチュラルウィーク」を開催しています。今回は、そのオセアニアウィークの一環として、学生団体オセアニア学生協会(OSA)が企画したものです。

コンファレンスでは、パプアニューギニア、トンガ、マーシャル諸島、フィジー、サモア、キリバスの大使及び外交代表が基調講演し、前例のない気候変動がこれらの島嶼国に及ぼしている破壊的な影響に触れ、この変動が将来アジア太平洋地域にどれだけ脅威となるかについて話しました。

パプアニューギニアのガブリエル・ドゥサヴァ大使は、同国の気候関連の問題の解決策を出す上で自分たちがリーダーシップを取るべきだと話し、トンガのタニア・トゥポウ大使は、気候変動の中での女性の役割について問われ、太平洋の母親の偉大さや、どのように自然災害からの立ち直りが文化的価値として教えられているかについて述べました。

学内だけでなく学外からも多くの方が参加し、気候変動について考えるよい機会となりました。また、APUという多文化環境は、世界中から来た学生達と共に、解決方法を模索する貴重な対話の場となるという展望が示され締めくくられました。

環境保全活動団体「Symbio(シンビオ)」の取り組み

環境保全活動団体「Symbio」は、国際学生22名、国内学生10名の合計32名のメンバーで環境保護を目的に活動を行っています。

結成当初は大分県でのホタルが生息できる環境を守る活動を開始し、現在では環境保護を目的とする活動も行っています。

具体的な活動としては、APUの学生も参加し、市民団体「カメカメクラブ」と共同で月1、2回実施する別府市の冷川と関の江における清掃活動、別府市民の方々と大分のさまざまな学校関係者と協力して関の江海岸の清掃活動なども実施しています。

今年開催したホタルの鑑賞会で確認されたホタルの数が7,595匹となり、2014年と比べて3倍に増え、継続して実施してきた清掃活動の成果が見られました。

他にも、6月5日の世界環境デーにちなんで、6月22日(月)から6月26日(金)に、今年の世界環境デーのテーマである“Seven Billion Dreams. One Planet. Consume with Care.(70億の夢、ひとつの地球―資源を有効に活用しよう)”に基づいて、節水の重要さを訴えるポスター展とビデオの展示を実施しました。

学生団体の環境貢献への取り組み 2014

立命館アジア太平洋大学(APU)では、開学以降、多文化環境を活かした様々な活動が行われています。その中でも、環境保全活動団体“Symbio(シンビオ)”は、高まる環境意識を、地道な活動を通し成果に結びつけようとしている団体です。

「“Symbio(シンビオ)”は共生を意味します。最近は、環境に対する人々の意識も高くなってきていますが、それが個々人の活動に結びついていないように思います。私たちはサークルの活動を通して、個々人の意識が行動に結びつくことを目指し、日々活動しています。」と、代表学生のYU Shuangying(アジア太平洋学部3回生・中国)さんは、活動の目的を説明します。

大分県別府市亀川地区を流れる冷川(ひやかわ)を、かつてのようにホタルの飛び交う清流にするために活動している地元ボランティアグループの指導のもと、“Symbio(シンビオ)”は河川敷の清掃活動やカワニナ放流などに取り組んでいます。また、ウミガメが産卵する砂浜を保全するため、別府市内の関の江海岸での清掃活動、ペットボトルのキャップの回収なども行っています。

定期的にこれらの活動に取り組み、冷川では2014年のホタルのシーズンには、前年の倍ほどのホタルの乱舞がみられ、多い日には1日に160匹程度が飛んでいたそうです。

そして、今年の学園祭では、子供たちに物を大切にする気持ちを育んでほしいと壊れた傘を再利用するワークショップなどを行いました。キャンパス内に捨てられた傘を材料にした旗の作成や、牛乳パックを使った箸置き作りなど、子供たちを含め50名程度が参加しました。また、新たな取組みとして、別府市内から大学までの5kmの道をゴミを拾いながらウォーキングするグリーンウォークを企画しています。

学生団体の環境貢献への取り組み 2013

立命館アジア太平洋大学(APU)では、いくつかの学生団体が自然と人が共存できる環境づくりを目指し、活動しています。

例えば環境保全活動団体「Symbio(シンビオ)」は、大分県別府市亀川地区を流れる冷川(ひやかわ)を、かつてのようにホタルの飛び交う清流にしようと活動している地元のボランティアグループの指導のもと、河川敷の清掃活動やカワニナ放流などに取り組んでいます。

また、ライフセービング団体「シールズ」は、ライフセービングを行う傍ら、地域貢献の一環で日々ビーチクリーンの活動を行っています。2013年5月に別府市の関の江海岸でウミガメの卵が発見されると、地元のボランティアグループ「関の江海岸のウミガメを見守る会」とともに、卵がふ化されるまでの間、海で活動するほかの学生団体にも声をかけ、マナーアップ運動やビーチ清掃を行ってきました。シールズ副代表の徳永修斗さん(アジア太平洋学部2回生、日本)は「ふ化したばかりの子ガメが海に進んでいく様子を見たとき、子ガメは小さく可愛いけれど、力強い命を感じ、感動しました。これからも学生の環境保全への意識が高まるような取り組みを続けていきたいです」と感想と今後の抱負を話しました。

会議資料電子化による
会議ペーパーレス化の実施

立命館アジア太平洋(APU)では、2012年6月より、学内で開催される4つの会議において、ペーパーレス化を実施しています。

実施の背景には、2011年11月30日に行われた地球環境委員会の報告において、学校法人立命館の紙の使用量は年々右肩上がりとなっており、APUにおいても同様の傾向が見られることが明らかになったという点があります。

APUの場合、4会議での紙の使用枚数は年間約185,180枚(いずれも両面印刷)に上ります。紙の使用枚数をCO2排出量に換算すると、約1トンに相当します*。

会議でのペーパーレス化を実施することで、紙資源の削減に繋がるほか、印刷コストの削減や要回収資料の管理および印刷にかかる事務労力の軽減も期待できます。

*紙1キロを消費した場合のCO2原単位は1.28kg-CO2/kg
(出所:国立環境研究所)
通常会議に使用するA4用紙1枚の重さは4.28グラム

節電・節水の取り組み

APUでは、地球環境委員会の方針に基づいて、今年度から従来の対策を強化し節電・節水に取り組みました。

具体的には、節電対策として全学で古い蛍光管の取替え実施や共用スペースの電灯の節減、自動販売機の常時照明消灯等を実施しています。

また、学生寮・APハウスでは、①共用スペースの電灯の節減、②管理人巡回時の共用スペース各種電源オフ、③全ての自動販売機の常時照明消灯、④居室内電気温水器の電源オフ、⑤エアコンの運転可能時間の設定、⑥全寮室のエアコンの入れ替え工事に取り組んでいます。

節水対策としては、教室棟や本部棟にトイレ用の擬音装置の設置や、節水を呼びかける掲示等を実施しています。

これらの結果、2011年4月~10月の使用電力量は昨年比マイナス472,104kWh、使用水量はマイナス1,840㎥となりました。

クールビズの取り組み

APUでは、2009年からクールビズ期間中のポロシャツの着用を推奨しています。元々は2010年のAPU開学10周年記念事業企画として10周年の気運醸成を目的にプロモーションポロシャツを制作し、事業期間中での着用を推進してきたものです。

事業期間終了後も継続して着用を推奨することで、夏期省エネルギー対策の一つである事務室等の空調温度維持に貢献できるほか、学生・教職員の一体感や愛校心の醸成という効果が現れています。

学生団体の取り組み

APUでは、様々な学生団体が環境への取り組みを行っています。

キャンパス内では、環境保全活動団体“environmentreet”が自作のペットボトルキャップ回収箱を設置したり、タバコの吸殻拾いをしたりしています。今後は、天空祭(大学祭)でのリユース食器の促進活動や裏紙の再利用、古紙回収箱の設置、徒歩通学による環境保全などの活動を予定しています。

また、APUの立地する別府市の中山間部で長期滞在型観光スタイルの定着と地域活性化を目指して活動する“LSB研究会” は、同地域住民の協力のもと「竹を使ったエコグッズ作り体験会」や「わらじ作り体験会」を実施し、地域に根ざしたエコ活動に取り組んでいます。

教育・研究面での取り組み

生活分野における温室効果ガス排出量削減に向けた試験事業の取り組み

APUでは、2009年より塚田俊三アジア太平洋学部教授の推進のもと、大分県、杵築市、NPO 法人地域環境ネットワーク、携帯電話業界等と共同で、エコドライブやエコ通勤等の実施を通じた温室効果ガスの排出量削減とそのカーボンクレジット化に向けた実験事業を実施しています。

本事業は、誰もが持つようになった携帯電話を利用して、従来評価されにくかったエコ通勤等による温室効果ガス削減量の見える化(数値化)を図るとともに、これをカーボンクレジット化し、これに参加する市民に対して持続的なインセンティブを与え、これにより幅広い地域レベルの運動に盛り上げていこうとする試みです。

2009年度は、杵築市においてエコドライブの効果測定のためのサンプリング調査を実施するとともに、交通機関識別システムの開発に着手しました。しかし、後者については、従来型携帯電話技術の限界もあり、信頼度の高いシステムを作ることができなかったため、2010年度はアイフォーン系スマートフォンに切り替え、比較的高い確度で利用交通機関を識別できるシステムを開発することができました。これを受けて、カーボンクレジット化の推進プロジェクトの構成案を作成し、経済産業省、環境省に報告しました。

今後は、両省のコメントを踏まえ、スマートフォン全体へ応用可能なより汎用性の高いシステムに拡充するとともに、ベースラインデータの構築等により、プログラム型排出減プロジェクトの構成案の強化を図っていきます。

太陽電池産業の振興や環境意識向上に向けた取り組み

またAPUでは、中田 行彦 国際経営学部教授が太陽電池の研究を行っており、太陽電池産業への地場企業の新規参入支援のほか、ゼミを通じた学生への太陽電池等の新エネルギーや環境に対する意識向上と太陽電池に関する研究意欲を醸成しています。

ほかにも、地球温暖化の原因となる温室効果ガスを削減し、低炭素社会を実現するためのヒントを参加者と共に考える連続市民講座を開催し、地域の方への環境に関する啓発に取り組んでいます。同講座は、自治体と協力し、APUの多様な教員の連携のもと社会学や経済学、工学など広範囲な研究に基づき実施しています。