在学生・卒業生の活躍

在学生・卒業生インタビュー

サッカー部所属経験がなくても今の仕事に就けたわけ

竹内  一平 さん


■はじめに

 本学、田畑泉ゼミを2015年3月に卒業し、現在は本田圭佑氏のマネジメント組織において、FIFA公認のウェアラブルデバイスを通じてサッカー界で奮闘する竹内一平さん。
本格的なサッカー部所属経験はないと語る竹内さんが、どのようにして現在のキャリアに至ったのか、本学入学から遡ってお話を伺いました。



➊本学には、どのような経緯で入学されたのでしょうか?

 生まれも育ちも兵庫県神戸市という事もあり、阪神タイガースやヴィッセル神戸を中心に、実家のテレビは日々スポーツ中継やスポーツ関連の番組が流れていた記憶があり、物心がついた頃には自然とあらゆるスポーツに関心を持っていました。私自身は3歳から水泳を始め、高校3年生まで泳ぎ続けました。専門種目は1500m自由形だった事もあり、競泳の中で最も距離が長い種目でした。短距離種目だと1分もかからずにレースを終えられるのですが、私の場合は毎回15分以上泳がなければなりません。語弊を恐れずに言うと、短距離種目はある程度ガッツで何とかなるのですが、長距離スイマーはコンデション管理等が成績に大きく関わってくる印象があり、当時からスポーツ科学やスポーツ栄養学について日常的に興味を持っていました。そんな中、立命館大学にスポーツ健康科学部が新設されるという情報を知り、色々な施設も新品の為、綺麗で良いなと思い、第一志望として入学をしました。



❷大学時代はどのような事が印象に残っていますか?

 基本的に授業はスポーツに関する内容だった為、勉学というよりは好きな分野の情報収集といった感覚で、すべてが楽しかった記憶があります。教授陣も、各分野トップオブトップの方々が集結されている為、教授の繋がり等でゲスト講師の方が登壇される場面も多々ありました。特に印象に残っているのは、当時のJリーグチェアマンや、ダルビッシュ有投手の個人トレーナーの方が講演に来られた際、もっと追加でお話しを聞いてみたいと思い、講演後に相談へ伺うと、快く別日に食事をさせて頂ける運びになりました。人見知りせず、誰とでもコミュニケーションをとれる性格に育ててくれた両親に感謝しています(笑)
また、私は下宿ではなく通学を選択した為、片道2時間の通学路でした。往復4時間になるので、一般的にはしんどいと思われがちなのですが、私はむしろ旅気分で楽しんでいました。地元の駅からキャンパス最寄りの南草津駅まで、在来線の駅が全部で30駅程あったのですが、在学中に全ての駅で下車をして散策したりしていました。大学も取得単位数によっては、3回生あたりから授業数が少なくなる為、実際の通学は週2-3日程度。4回生の夏にブラジルW杯を現地観戦するという野望を、高校生の頃から持っていた為、アルバイトと学業のバランスも意識していました。



❸実際にブラジルW杯は現地で観られたのですか?

 はい。ブラジル代表が準決勝でドイツ代表に1-7という、衝撃的なスコアとなった試合を現地で観戦してきました。サッカー王国と称される国で、色々なサッカー文化を体感できた事は、私にとって大きな経験となりました。先述の通り、私の競技歴としては水泳が主体にはなるのですが、小学生の時に日韓W杯を現地観戦した事も契機となり、1番好きなスポーツはずっとサッカーでした。2005年に日本サッカー協会が、2050年に再びW杯を日本で開催し、日本代表が優勝するという宣言をしました。当時中学生だったなりにその宣言に共鳴し、将来は日本代表がW杯で優勝する事に、仕事として携わりたいと思うようになりました。



❹就職活動はどのように過ごされたのでしょうか?

 ブラジル、ヨーロッパ、アメリカ等、様々な大陸でサッカー観戦ばかりしていたので、一般的なスケジュールでの就職活動はしていなかったと思います。もちろんサッカーやスポーツに関わる仕事もリサーチはしていましたが、当時の私としては色々な観点で時期尚早なのではと考えていました。大学院への進学等も脳裏にちらついたりもしましたが、社会人でしか得られない経験もあるのではないかと思い、4回生の秋頃から本格的に就職活動に取り組みました。結果として、広告代理店に新卒入社し、採用メディアの営業職を約3年間担いました。その業界を選んだ理由の中で大きかった事は、職種柄ありとあらゆる業界企業と関りを持てる為、私自身が本当にサッカー業界で働きたいのかを見極める事ができると考えた為です。全く知識のなかったIT業界や不動産業界等、色々な企業の採用戦略をサポートする中で、経営者の方々の声を直接聞き、自分が心底好きな事を仕事として生きていく充実感についても教えてもらいました。そんな中で「将来はサッカー日本代表のW杯優勝に携わりたい」と常々口にしていたところ、メディア営業の繋がりから、現職に通ずるオファーを頂く事になりました。



❺どのようなお仕事をされているのでしょうか?

 本田圭佑のマネジメント組織であるKSKグループの中で、最初はアスリートのキャリア形成に関する仕事を担いました。プロサッカー選手の場合、平均引退年齢はわずか25歳前後と言われています。その後の人生の方が圧倒的に長いにも関わらず、セカンドキャリアを疎かにしてしまうアスリート達に対して、面談や企業紹介等を実施していました。現在は同グループ内で設立された「SOLTILO Knows株式会社」に所属をしており、自社製のGPS搭載ウェアラブルデバイスを通じて、サッカーチームを中心に強化サポートを担っています。Jリーグクラブから高校サッカー等の育成年代カテゴリーまで、全300を超えるチームに導入をして頂いており、走行距離や心拍状態等を、専用アプリを通じてリアルタイムで可視化。本学で学んだスポーツ科学やトレーニング理論等についても、実際の仕事現場で活きています。私自身がフィードバックに携わったチーム等から、将来日本代表としてW杯で活躍するような選手がでてくる日が、非常に楽しみです。



❻最後に、学生へのメッセージをお願いします。

 興味を持った事については、遠慮せずどんどん知識を深めて欲しいと思います。素晴らしい教授陣との接点もそうですし、学外でのアルバイトや旅等を通じて得られる経験も重要だと思うので、1日1日を大切に楽しみながら、素敵な立命館生活を過ごしてください。

※インタビュー及びプロフィールは、取材をした2023年3月時点の内容です。
PROFILE

竹内  一平

所属先:SOLTILO Knows 株式会社
(スポーツ健康科学部 2015年3月卒業)
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