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【EIZO DAYS】大学院生特集vol.03:自分の進路選択に大きい影響を与えてきたのは「人」

2017.03.10

EIZO DAYS
- 特別増刊号 映像研究科特集 -

 「大学院」という選択肢について考えたことはありますか?

 研究科の院生に直接「大学院ってどうなんですか?」と聞く機会は意外とないですよね。「EIZO DAYS」では、大学院の取り組み紹介とともに、学部生の皆さんにも大学院進学について考えていただくヒントとして「特別増刊号 映像研究科特集」をお届けしたいと思います。

自分の進路選択に大きい影響を与えてきたのは「人」

【vol.03】森田爽資さん(2016年度映像研究科1回生、ゲームゼミ出身)

・立命館大学大学院 映像研究科に進学しようと思った動機は何ですか?

  私は映像学部のゲームゼミ出身なのですが、このゼミは院生と距離が近いんです。3回生でゼミに入った時から、そこにはいつも院生の先輩がいて、私たちと話す機会がありました。その先輩とは私が2回生の頃担当したプログラミングの授業のES(エデュケーショナル・サポーター)で知り合い、ゼミ決めの相談から大学院進学の相談など非常にお世話になりました。細井浩一先生が推進されているゲーム保存のプロジェクトにも関わっておられて、自分もそれに関わる機会があった為、日頃から大学院がどういうところなのかということを聞いていました。  

  大学院は気になりつつも、学部4回生の初めの時点で就職活動はしていて、とあるゲーム会社のプログラマーの試験を受けたのですが、その実技試験で自分の技術力の不足を痛感しました。「もっともっとしっかりやっておくべきだった」と思いました。  

  それでそこから大学院進学への思いが強くなりました。  

  大学院の先輩との出会い、就職試験で感じた力不足、そこに加えてゼミに奥出成希先生が担当教員として入られ、教わったことも大学院進学への大きなきっかけとなりました。先生はプログラミングに関して非常に高い技術をお持ちです。私は物理演算を用いたゲームを制作しようと思いその開発環境にUnityを使用することにしたのですが、初めて使うツールであることもあってわからないことがたくさん出てきました。そういった際に先生に質問するといつでも瞬時に、「こうしたらいいのでは?」と回答が返ってきました。この先生からもっと技術や知識を吸収したいと思いました。  

  思い返せば、学部を映像学部にしたのも、高校時代に同じバドミントン部だった先輩が映像学部に行き、その先輩から聞いた話に興味をもったことがきっかけでした。附属だったのでいろんな学部に行った先輩に話を聞く機会があったのですが、映像学部に行った先輩が語る学部教学のおもしろさが一番自分に響きました。元々理系でパソコンが好きだったということもあります。人から直接得る実体験や知識などはどんな情報よりも響きます。今まで自分の進路選択に大きい影響を与えてきたのは「人」であり、そんな「人」との関わりが今の自分を形作っていると思います。  

  受験対策については、渡辺修司先生に何度も何度も研究計画書を見てもらいました。でもやっぱり面接はすごく緊張しましたね。

・現在取り組んでいる研究の内容について教えてください。

 まず、大学院に進学して最初に感じたこと、それは「学部とは全然違う」ということでした。それはもう大変で。学部では本当に自分は甘えていたと思いますし、そんな自分と向き合うことほど難しく厳しい作業はないと思います。「作りたいから作る」という学部でのスタンスとはまったく異なり、大学院ではそれを作ることに「意義」を必ず見出さなければならいのです。「何故それを作るのか」「作ったものを社会にどのように還元するのか」「作ったものがその先どのように発展・展開させられる可能性があるのか」など、その「意義」の定義も自分で考えなければなりません。

  研究科では、学部の卒業研究で制作した「童心に戻れる『消しゴム落とし』」というVRゲームを更に発展させる計画です。この「消しゴム落とし」は、私が小学校時代に休み時間よく教室で友達とやった遊びです。学部卒業研究ではヘッドマウントディスプレイ(HMD)を使ってこの「遊びを再現する」のが目的でした。しかし今は、「『懐かしさ』の追及」に主眼をおき、例えば消しゴム落としをやっている周囲の景色であったり、聞こえてくる教室の音だったり環境を作り込んで、遊びを通して「時代を再現する」ことを目的としています。これを研究することで、小学生の遊びに付随する様々な付加価値を改めて提示していければと考えています。

  渡辺先生からこの研究成果を学会、しかもアメリカのゲーム学会で発表するように薦められていて非常に戸惑ってもいますが、大学院に来たからにはそういったチャレンジをすることも今後の自分に大きな意味があるのではないかと期待もしています。

  先生からは、「森田くんには変な感性がある」と言われたことがあります。確かに周囲が横文字タイトルだったりRPGだったりすごくかっこいいゲームを作っている傍らで、「消しゴム落とし」という素朴すぎる遊びの再現に没頭したりしていますから、そう思われても仕方ないと思います。いい意味の「変」だと捉えて、この感性を伸ばしていきたいですね。  

  将来的にはゲームプランナーとして活躍したいと語る森田さん。その「変な」感性を活かして、唯一無二のプランナーになれるよう、私たちも応援しています!


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学部3回生の皆さんは、3月に入っていよいよ就職活動が本格化してきました。

「就職」という選択肢のほかに、「大学院進学」という選択肢についても一度

考えてみてください。 映像研究科HPはコチラ

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