2008年7月19日 (第2862回)

低炭素社会への誘い

政策科学部 教授 佐和 隆光

 20世紀はどんな世紀だったのでしょうか。この問いへの答えのひとつは「経済発展・成長の世紀」です。

 では、なぜこの100年間に経済はかくも発展・成長したのでしょうか。理由のひとつは技術革新が相次いだからです。その意味で、20世紀を「技術革新の世紀」と言い換えてもいいのです。

 では、なぜそんなに技術革新が相次いだのでしょうか。理由のひとつは19世紀末に人類が石油と電力という二つの動力源を手に入れたからです。その意味で、20世紀を「電力・石油の世紀」と言い換えてもいいのです。

 しかし、そのことの裏を返せば、20世紀は「二酸化炭素排出の世紀」だったということになります。二酸化炭素の排出量を増やしつづけながら、人類は「豊かさ」を手に入れてきたのです。その20世紀が終わらんとするころ、京都会議が開催され、20世紀のシンボルともいうべき二酸化炭素の排出削減を先進諸国に義務づける京都議定書が採択されたのです。「低炭素社会づくり」こそが、21世紀の人類に課せられた課題なのです。

 低炭素社会への道しるべをお示しします。