2008年9月13日 (第2867回)

中国の改革開放と日中関係

外務省アジア大洋州局中国・モンゴル課 課長補佐 岡田 勝

 1978年12月に北京で開催された中国共産党第11期三中全会において改革開放政策が決定されてから本年は30周年です。本年5月に胡錦濤国家主席が訪日した際に福田総理との間で署名された日中共同声明において、「日本側は、中国の改革開放以来の発展が日本を含む国際社会に大きな好機をもたらしていることを積極的に評価」しています。

 本年はまた、日中平和友好条約締結30周年です。1978年10月、鄧小平(当時は副総理)が中国の国家指導者として初めて日本を訪問し、東京において日中平和友好条約の批准書交換が行われました。鄧小平の訪日は、その後の中国の改革開放に重要な影響を与えたと言われています。

 今回は、中国の改革開放と共に歩んできた日中関係を振り返りつつ、現在及び今後の日中関係について考えてみたいと思います。外務省で10年余りにわたり日中首脳会談の通訳を担当してきた経験も踏まえ、日中外交の現場から見た「中国の改革開放と日中関係」についてお話いたします。