2008年12月13日 (第2879回)

イメージの治癒力 ―「収納イメージ法」をめぐって―

大学院応用人間科学研究科 教授 徳田 完二

 イメージ、この不思議なもの

 われわれの心の中にはさまざまなイメージがある。心はイメージでできあがっているといっても過言ではないくらい、イメージは心の中で重要な位置を占めている。われわれの体験はイメージと切り離せない。過去の体験はイメージとして心の中に保存されている。

 イメージは単なる現実世界の写しではない。現実にはない存在しないものもイメージとしては存在する。われわれは現実世界とイメージとの狭間で生きていると言ってもいいかもしれない。

 イメージはまた、思い浮かべるものでもあり、勝手に浮かんでくるものでもある。そんなイメージは、われわれを苦しめもし、癒しもする。イメージとは不思議なものである。イメージを利用して行う心理療法をイメージ療法というが、そのような話題を中心にしつつ、イメージというものの興味深さの一端を土曜講座で伝えられたらと思う。