2009年1月31日 (第2884回)

産・官・学・地域の連携で実現したバイオ燃料バスの運行 ― BKCエコキャンパスの会の運動から学ぶ ―

生命科学部 教授 吉田 真

 日はとっぷりと暮れて、闇に覆われた森の中。昼の猛暑がうそのように風は涼しく、どこからか、虫の音や蛙の鳴き声が聞こえてきます。夜の調査は、僕にとっては、とても癒される時間です。ここは龍谷大学瀬田キャンパスに隣接する通称「龍谷の森」。僕だけでなく、多くの人がこの森の保全の活動や研究にかかわっています。生きものたちにとって優しい自然は人間にとっても優しい自然である。これが、里山保全の研究や活動にかかわって、僕が学んだことです。

  残念なことに、僕のいるキャンパスは、ヒトと環境にやさしいとはいえません。広大できれいなキャンパスといわれてはいますが、緑が少ないために夏はとても暑く、冬は寒風が吹きすさび、冷房や暖房に法外なエネルギーを使い、信じられないほど多くのゴミを毎日排出しています。この状態を何とかしようと、この数年間、僕は学内外のたくさんの人たちと一緒に活動してきました。

  生協食堂の廃食油を使ったバイオ燃料バスの運行は、この間の運動のささやかな成果です。この運動にもっとたくさんの人たちが参加することを願っています。