2010年10月16日 (第2954回)
漢語と和語
立命館大学 名誉教授・ 立命館孔子学院長 筧 文生
中国人と外来語
「日本語を学んでいる中国人にとって、いちばん厄介なものは何か」と聞かれたら、たいていの人は“テニヲハ”や“ハとガの違い”、 あるいは“敬語”だと答えるのではないだろうか。たしかに中国人のみならず、外国人にとって、いや、今や日本人にとってすらなかなか使いこなせないのは助詞と敬語である。
しかし私の経験では、中国人にとって難しいのは、日本人がやたらと使う外来語なのである。北京大学の日本語科を出た優秀な青年から聞いた話。 訪中した日本の財界人と中国の幹部との対談の通訳をしていて、インフレーションと訳すべきところを、インフルエンザと言ってしまったというのだ。 しかし、それがきっかけで、緊張がほぐれて座がいっぺんになごやかになった。「こういうのを“怪我の功名”というんでしょうね」と言って、その青年は笑っていた。
聴講者の感想
初めて参加させていただきました。仕事で研修をうけ、ちょっといろんなことが勉強したくなりました。 テーマを見ただけでは、難しいテーマかと思っていましたが、講座に入りやすく、楽しく参加させていただきました。 仕事先でも外来語がとびかっており、「はて、何のことやろ?」と思うことが、度々あります。これに依存するのではなく、日本語を大切にしながら、 うまいこと付き合っていく時代になってきたんだと思います。
沢山の方々が参加されていて、びっくりしました。 ありがとうございました。