2011年5月7日 (第2975回)

白川静の人と学問と生涯と

文学部 教授 芳村 弘道

 昨年、白川静先生の御生誕100年記念に際して刊行された『立命館大学図書館所蔵 白川静文庫目録』の編集に加わり、御遺蔵の漢籍・原稿の類を整理、目録化する作業を通して、先生の学問世界がいかに精深博大であるか改めて感じ入りました。漢籍への詳しい書き入れ、丹念に模写された甲骨文字のトレース、中国雑誌からのノート、何度も書き直された原稿を目の当たりにする度に、学問に心血を注がれた御生涯に思いを致し、敬仰の念を深くしました。

 今回担当の講座では、先生の学問形成の過程をたどり、御生涯を顧みてゆきたいと思います。主に少壮の時代について、先生の回顧録や晩年の御講演などを基に、先生が影響を受けられた書籍や学者、学派などを紹介し、御生涯の逸話も加えて講演します。

聴講者の感想

 理系の私にとって、ほとんど無に近い白川静の業績についての講義を大変興味深く聞かせていただき、ありがとうございます。

 文学は感覚的なものと思っていましたが、非常に論理的な学問であることに驚きまし た。講義は今回だけと考えていましたが、他の回にも来てみようかと思います。