2012年3月17日 (第3007回)
障がい者就労支援からみえてきたもの
立命館大学人間科学研究所 客員研究員 中鹿 直樹
立命館大学では、障害のある人を継続的に支援するための実践研究を行っています。その一つが立命館学生ジョブコーチ (Ritsumeikan Student Job Coach) という取り組みです。 アメリカで「援助付き雇用 (supported employment) 」という考え方が生まれました。ジョブコーチはその中でも中心的な役割を果たし、障がい者が職場へ適応するのを手助けします。日本でも「障害者の雇用の促進等に関する法律」に関連して、ジョブコーチが制度化されました。学生ジョブコーチは、地域の学校や企業・福祉施設と連携しながら、立命館大学の学部生・大学院生がジョブコーチの役割をおこなう実践と教育の取り組みです。 学生ジョブコーチは2004年にスタートし、これまでに30件以上のケースを担当してきました。その中でみえてきたものについて、「『できる』を発見・表現する」「セルフマネージメント」「他立的自律」「学習者」をキーワードに考えていきます。
聴講者の感想
障害をもつ子の親です。子育てから見えることとは違った視点での話に興味を持ちました。学生さんたちが障害者とかかわる中でどんな感想をもったのか知りたいと思いました。
できなかったことができるようになる、掃除できなかった人ができるようになる、そのことだけに目が行きがちですが、将来に役立つ力とはどんなことなのか、学生さんたちが考えるきっかけになってくれれば良いと思いました。
私は介護の仕事をしていますが、ケアマネージャーのケアプラン作成の課題分析の考え方に通じるものがあると思い、勉強になりました。
障害をもつ息子の仕事が新しく決まりそうでヒントになりました。ありがとうございました。