2012年6月16日 (第3018回)

多様化・多層化するアラブ世界の国際関係: 「アメリカ後の世界」を迎えて

立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部 准教授 吉川 卓郎

 「アラブの春」は、いまや当事国であるアラブ諸国のみならず、イラン、イスラエル、トルコを含めた中東全域の国際関係、そして米欧の外交・安全保障政策にも大きな影響を与えている。リビアでは内戦に諸外国が軍事介入した末に独裁体制が崩壊し、逆にバハレーンでは周辺諸国の軍が民主化運動を弾圧した。イエメンやシリアでも、やはり周辺国を巻き込んだ複雑な駆け引きが続いている。

 アラブをはじめ、中東国際関係におけるゲームのルールは変わったのか。また、地域最大の覇権国家・米国の対中東政策に何が起きているのか。多様化する地域国際関係を、冷戦史やグローバリゼーションも含めた大きな歴史の流れから読み直してみたい。

聴講者の感想

 アメリカ-アラブ世界の関係が、縦(歴史)と横(現状)でよくわかりました。現在進行形なので、考える上での大いなる参考になりました。ありがとうございました。