2012年6月23日 (第3019回)
湾岸諸国の発展と天然資源: 石油ショックからポスト3・11まで
一般財団法人日本エネルギー経済研究所 中東研究センター 研究員 堀拔 功二
湾岸諸国と呼ばれる地域は、中東のなかでも石油・天然ガスの大生産地として非常に重要な役割を担っている。経済的に豊かな産油国であり、またドバイに代表される近代的な都市は、世界中から多くの観光客をひきつけている。しかしながら、イラン革命から湾岸戦争、そしてホルムズ海峡問題まで、政治的には不安定な地域である。この地域の不安定化は原油価格の高騰とも結びつくため、日本にとっても注視するべき地域である。
報告では、はじめに湾岸諸国の特徴を概観する。次に、湾岸諸国の政治・経済発展について天然資源の開発を中心に読み解く。さらに、日本と湾岸諸国の関係の発展と多様化について、石油ショックから東日本大震災後までの期間を含めて考えていきたい。
聴講者の感想
仕事がら、今回のテーマに対する関心は強くもっております。また中学生のときに石油ショックを経験、当時の社会が大きなパニックに襲われたこと、その後の第二次石油ショックを技術革新で切り抜けた日本の底力、スタグフレーションに見舞われる中で一人勝ちしていた1980~90年代頃の日本、プラザ合意によって円高誘導に導かれ、絶えず欧米先進国から目の敵のようにされていた時代から一転、現在の日本は右肩下がりの状態にあります。ただどんな時代でも忘れてはならないのは、世界の中のひとつの存在として日本があるということ。湾岸諸国とはエネルギーの問題が主ですが、人的・文化交流の大切さを学習させていただきました。ありがとうございました。