2012年8月4日 (第3025回)
過去・現在・未来~人と人がつながる「平和教育」 ~小林多喜二・山本宣治・内山完造の妻みきのことなど~
立命館宇治中学校・高等学校 教諭 本庄 豊
日本近代社会運動史はとても地味な研究ジャンルですが、第一次資料を自ら発見できるという楽しみがあります。現在やっている山本宣治(性科学者・労農党代議士)や住谷悦治(同志社総長)、内山完造の妻美喜(上海内山書店の創立者・魯迅や郭沫若と交流・宇治市に父の実家)、小林多喜二(プロレタリア作家)などについては、地元宇治からさまざまな貴重な第一次資料が見つかり、それをもとにコツコツと歴史研究を続けています。
さて立命館の付属校で取り組まれている平和教育ですが、私は社会科の教員ですので、できるだけ授業のなかで平和について考えさせるようにしています。生徒たちが授業のなかで一方的に教え込まれるのではなく、自ら調べ・考え・まとめ・発表して行くプロセスを通して、平和認識を確たるものにしていく必要があります。
社会運動史研究と平和教育は私の研究・実践の柱でもあります。土曜講座ではこの両方をコラボしつつ、聴講される皆さんとともに(1)平和をどうつくるか(2)戦争と平和についてどう伝えて行くか等について、考えてみたいと思います。
聴講者の感想
本日の講義は中、高、大学生の発表もあり、大変面白く聞かせてもらいました。 イスラム教ではラマダン月は飲食を絶つとのこと。現在は右肩上がりで発展してきたが、憲法で保障された最低限の生活とは、世界の平均とくらべたら、十分に豊かな生活である。ラマダンではないが、戦時中の食事を体験する日などを設けて過ごすことも必要ではないか。平和を考えることだけでもありがたく、「生きる」に精一杯の人々が世界には多い、ということを頭の片隅において生活をしていく必要がある。なかなかできないが。