2012年9月8日 (第3028回)

CO2見える化システムと低炭素社会の形成

立命館大学政策科学部 教授 小幡 範雄

 現在の地球温暖化問題は、CO2の増大とそれに伴う資源・エネルギーの枯渇化をもたらしている。しかし、世界的に見た場合、CO2の増大は止まらないのである。その原因の一つには、CO2排出量の削減イメージが分かり難いことがあると思われる。環境負荷低減方法や効果を分かりやすく伝え、低炭素社会がどのような姿として見えてくるのかを明確に示す必要がある。その1つの方法として、CO2見える化のシステムを考えてみたい。

 CO2見える化には、カーボンフットプリント、カーボンオフセット、エコ・アクション・ポイント、フード・マイレージ、LCAなどがある。しかし、見える化といっても、その対象項目、対象者、手法、効果、コミュニケーション機能、LCAの定量化の範囲など様々に異なるものが考えられる。しっかり整理し体系化しなければ、これらの手法で作成された指標を使っても分かり難くなることもありうる。見える化の指標には、正確さ・複雑さと分かりやすさというジレンマが生じる。このジレンマから解放される方法について検討し、低炭素社会の実現に向けた方策を考えていきたいと思います。

聴講者の感想

 いかに地球が危機にあるかが、数値上ではわかったような気がしますが、実際にどれだけの人々が認識し、実行しているか怪しい限りです。身近にできることがいろいろある筈ですが、実行していないことが多いように思います。家庭でも子供たちの教育も必要です。行政ももっと厳しく、特に緑化等第一次産業の発展など、CO2の減少と経済面のバランスをとれるような政策をとるようにすべきでしょう。
 個人のやれることは大したことはできないにしても積み重ねると大きくなるということをみんなが認識すべきでしょうし、何らかの方法でアピールをすべきでしょう。