2012年9月22日 (第3030回)

持続可能な水処理システム・水循環システム

立命館大学理工学部 教授 中島 淳

 多くの困難が立ちふさがっているとはいえ、低炭素社会構築への道筋は次第に明らかにされつつあります。その実現に向けた取り組みも、一進一退の試行錯誤を重ねながら、確実にすすめられていると感じています。地域における劣悪な水環境の改善としてすすめられてきた水処理技術においても、低炭素社会にふさわしいシステム模索が、いろいろな側面から取り組まれるようになってきました。他方、水処理技術には適正な維持管理システムが求められ、その実現によってはじめて持続可能な技術として受け入れられる点が特徴です。ここでは、持続可能をキーワードとして、多様な水処理システム・水循環システムの中から、東南アジアを中心にすすめてきた私の経験をお話ししたいと存じます。過去の失敗事例に学びながら、適正技術とはどういうものか、持続可能な水処理技術には何が必要なのか、まだまだ成功したとはいえない現状ですが、皆様といっしょに考えてゆきたいと思います。

聴講者の感想

 日本の水道は安全だとわかっていても、ついついペットボトルを飲んでしまう私がいます。故郷を離れて初めて飲んだ水がカルキの臭いが強く、それ以来沸かした水しか飲んでいません。
京都駅で売られている緊急用水道水は、京都みやげとしておもしろいかと思います。“うまい”とは言えないが、おいしい水でした。節水型、再利用型商品の開発を進めていかないと持続可能にはならないと思います。