2012年12月1日 (第3039回)
友禅図案を活かす
立命館大学文学部 教授 木立 雅朗
立命館大学非常勤講師 アート・リサーチセンター共同研究員 山本真紗子
(立命館大学映像学部4回生、細井研究室) (塚越勇太)
立命館大学非常勤講師 アート・リサーチセンター共同研究員 山本真紗子
(立命館大学映像学部4回生、細井研究室) (塚越勇太)
「近代」の友禅図案は、京都独特の文化遺産として注目されはじめています。戦前の図案は、極めてモダンである反面、「伝統」に固執した側面もあります。また、図案のなかには図案家・型屋・染屋が作業に必要な書き込みしており、デザイン以外にも豊かな情報を含むという資料価値をもっています。
私達のプロジェクトでは立命館大学で収集した近代友禅図案を活用するため様々な試みをおこなっていますが、今回は仮想空間である「セカンドライフ」で図案を鑑賞できる美術館を構築しました。この図案の魅力の一つは裏打ち紙に近代の様々な文書を使っていることにありますが、仮想空間上では表と裏を自由に見ることもできます。大量の図案の魅力を世界に発信するには有効な手段だと思います。
また、和鏡に友禅図案を活用するなどのコラボレーションなども試みています。京都のもの作りの特色は分業と協業が盛んに行われていることだと思いますが、ここでは例外的なコラボレーションを行うことで、それぞれの文様の意味を明確に理解することができました。
このように京都の文化遺産を「活かす」ことで、研究と保存を進める試みを紹介したいと思います。
※当日は立命館大学映像学部4回生、細井研究室の塚越勇太氏による15分程のトーク&プレゼンテーションも予定。