2013年3月23日 (第3048回)
福島における風評被害の現状と克服 対人援助と法心理学の新しい可能性
立命館大学文学部 教授 サトウタツヤ
私は元福島大学の教員でした。3.11以降、私がかつて住んでいた福島市渡利という地区は放射線の高いエリア、いわゆるホットスポットになりました。
この講演では東日本大震災とその様々な被害から私たちが教訓として得ることは何かを考えてみます。特に「釜石の奇跡」という多くの小中学生が津波から助かった事例をとりあげて、それを可能にした条件を分析し私たちが取り入れるための方策を考えます。
次に農作物の風評被害について考えます。風評被害の加害者は誰なのだろうかと考えると突然この現象の不思議さが立ち現れます。危険だと思うものを買わないことは風評「加害」なのでしょうか?私たちは加害者なのでしょうか?また、海外から京都に来ることを控えた方々も多数いました。この方々が加害者で私たちは被害者なのでしょうか?
最後に、福島の農家の皆さんは関西の方々が福島の農作物のことをどう考えているのかを知りたがっています。その声をみなさんにお伝えすると共に、みなさんの声を福島に届けたいとも願います。講演を通じて相互交流の可能性も探っていきたいと思います。