2013年3月30日 (第3049回)

人との関わりが苦手な子どもにとっての遊びの意義

立命館大学産業社会学部 教授 竹内 謙彰

 毎月1回,午前2グループ,午後1グループに分かれて,自閉症スペクトラム障害のある子どもたちに対する療育活動が,立命館大学の中で行われている。グループは,それぞれ,幼児と小学校低学年,小学校高学年,および中高生という年齢層によるグループになっている。ここでは,毎回の活動に参加する中で感じていることに触れておきたい。それは,ここにきている子どもたちの共通性と多様性という二つの側面についてである。

 「自閉症スペクトラム障害」と言っても,一見,どこに障害があるのかわからない子どもたちだ。しかし,しばらく接すると,独自のこだわりを持っていたり,当然わかるだろうというこちらの話しかけがわかっていなかったりという特徴に気付くことになる。独特の特性があるという点では共通点があると言ってよい。しかし,一人一人の子どもたちは,きわめて個性的なのだ。特性も,一人一人濃淡や色合いが異なっている。何にこだわるか,またこだわりの強さも子どもそれぞれで異なっている。そして,子どもたちは,それぞれ時間の経過の中で,個性的な存在として発達を遂げていくのだ。決して一括りにはできない,それぞれの子どもたちに見合ったかかわりが必要なのである。