2013年7月20日 (第3063回)

ミャンマーは本当に民主化するのか

京都大学東南アジア研究所 准教授 中西 嘉宏

 2010年3月からミャンマーは大きく変わりました。それまでの軍事政権という暗いイメージが嘘のように、「アジア最後のフロンティア」として同国の動きは世界中の注目を集めています。今年の4月には民主化運動の指導者であるアウンサンスーチーが来日し、京都にも滞在しました。5月には安倍首相がミャンマーを訪れ、900億円を越える援助を表明しています。今後、ますます日本とミャンマーのつながりは深まっていくでしょう。

 ただその一方で、ややイメージが先行してブームになっているようにも見えます。また、その変化の速さのために、ミャンマーがどうしてこれほど急に変わったのか、本当にこれから経済発展し、政治的に民主化していくのか、といった点について、日本でも世界でも十分に議論されているとは言えません。そこで、この国の歴史的な流れも踏まえながら、現在起きている政治経済的な変化の意義と、将来的な同国のゆくえについて考えてみたいと思います。