2014年9月13日 (第3105回)
デジタル地図を読む
立命館大学文学部 教授 矢野 桂司
「地図」といえば皆さんは何を思い浮かべますか? 一昔前ならば、学校での地図帳やドライブの際の道路地図を思い浮かべるかもしれません。しかし、最近では、GoogleマップやYahooマップ、あるいはカーナビの地図と答えるでしょうか。
前者は紙地図であり、後者はデジタル地図です。1980年代後半から発展する地理情報システム(GIS)が、デジタル地図の普及を支えてきました。GISは、地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ(地理空間情報)を総合的に管理・加工し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術です。
GISという言葉を初めて聞いた人が多いかもしれません。しかしインターネットや携帯電話で地図アプリを使ったことはあるかと思います。コンピュータやスマホの画面に表示された地図は、紙地図ではなくデジタル地図で、その地図を扱うツールがGISです。カーナビゲーションのルート検索やスマホの乗換案内などもGISが利用されています。その意味で、皆さんは知らないうちにGISやデジタル地図を日常的に活用しているわけです。
この講義では、GISによる様々なデジタル地図を紹介するとともに、進化するデジタル地図とGISの世界を探ってみたいと思います。