2015年1月17日 (第3118回)

災害と自治体~行政は被害にどう向き合うのか~

元兵庫県理事・震災復興本部総括部長 立命館大学校友会顧問 辻 寬

 20年前の1995(平成7)年1月17日、予想だにしなかった震度7の地震が、近代化した都市の直下を襲い、六千余名の尊い人命を奪いました。当時の兵庫県の防災計画では、起こりうる地震の強さを震度5強と想定していました。

 3年前に起きた東日本大震災では、日本の観測史上最大のマグニチュード9,0の地震が発生しました。さらに原発事故が発生し、原発の安全神話は完全に崩れました。東日本大震災の被災地では、今なお多くの方々が避難を余儀なくされ、不自由な生活を強いられています。

 阪神・淡路大震災では、日本はもとより世界各国から多くの激励と支援を頂きました。その復興にあたっては、多くの犠牲者の霊に報いるためにも、単に震災前の状態に復旧するのではなく、震災の教訓を生かし21世紀にも通用する地域として復興することを目指し、「自立復興」と「創造的復興」に取り組んでまいりました。その経過をご報告し、東日本大震災からの復興に向けてのエールを送りたいと思います。