2015年7月11日 (第3134回)

ゲーミフィケーションとはなにか

立命館大学衣笠総合研究機構 客員協力研究員 井上 明人

 日常のさまざまなところにゲーム的な仕掛けを施し、楽しみを見出していこうという試みは古来からいたるところで試みられてきた。たとえば、ラジオ体操の皆出席者にハンコを押してやる気をださせるなどは、誰でも見知った風景だろう。

 近年、こうした日常空間のなかにゲームを忍ばせていく方法に大きな変革が起こりつつある。

 その変化を牽引したのが、スマートフォンに代表されるセンサーデバイスの普及である。万歩計を買わなくとも、誰もが万歩計を扱えるし、地図を使ったゲームも流行している。教育はもちろんのこと、節電、ダイエットといった日常生活に加え、選挙活動などの政治運動など、社会生活のありとあらゆる場所へのゲーム的な仕掛けの導入がこの10年の間に大幅に進展している。

 2011年以後、こうした動向は「ゲーミフィケーション」という名で呼ばれるようになり、改めて大きな注目をあつめるようになり、シリコンバレーでは、ゲーミフィケーション関連の事業分野への投資が大きく伸びた。

 この変化がいったい、どれほどの広がりと深さをもったものなのか。そして、この動向は今後どのように発展していくのかを展望したい。