2015年7月25日 (第3136回)

ゲームと知的財産権

立命館大学法学部 教授 宮脇 正晴

 ゲーム機に用いられている技術や、ゲームソフト(プログラム)は、「発明」として特許権の対象となりうる。コンピュータ・プログラムは著作権法上「プログラムの著作物」であり、そのプログラムによって出力される影像は「映画の著作物」に当たり、また、ゲームに登場するキャラクターの画像は「美術の著作物」となりうる。更に、ゲーム機に施されている不正防止の技術は、「技術的制限手段」として不正競争防止法上の規律の対象となっている。このように、コンピュータゲームには様々な知的財産権が関係しており、コンピュータゲームに関連する紛争は、知的財産法の研究・実務に新たな問題をしばしば提起してきている。

 本講座においては、コンピュータゲームに関する知的財産紛争の歴史と、現在生じている問題について解説する。