2015年12月12日 (第3150回)

小さな建物、大きな拡がり ー学生と歩む宮古復興支援活動ー

立命館大学理工学部 准教授 宗本 晋作

 2011年から学生と一緒に宮古の復興支援活動に携わっています。変化する被災地のニーズに合わせて、「建築」という自分たちの専門性を活かしたボランティアにこだわり、継続的に活動しています。小さな建物をつくったり、「記憶のまち」と呼ぶ復元模型のワークショップを実施したり、一緒に様々な活動を組み立ててきました。その中で、活動は宮古から思わぬ場所、ラオスにも繋がります。

 そもそも「建築」は、建造物だけを指す言葉ではありません。つくる行為も対象としています。「建築」を通じたボランディア活動は、つくられる建物が小さくても、それに関わる行為が大きな拡がりとなって、私たちに貴重な経験をもたらしてくれます。

 ここでは、小さな建物を通じた宮古の復興支援活動を紹介し、「建築」が単なる建造物ではなく、「人間の関係性を作る空間装置」となることをお伝えしたいと思います。