2016年1月16日 (第3153回)

電子図書館における情報技術の活用

立命館大学情報理工学部 教授 前田 亮

 「電子図書館」という言葉から、皆さんはどのようなものを思い浮かべるでしょうか?これまで紙媒体だった書籍や雑誌が電子化され、これらをパソコンやタブレット端末などで閲覧するというようなイメージかもしれません。それも電子図書館の一つの姿ですが、それだけではありません。Web上の情報は、図書館の資料のように体系付けられていませんが、すでに従来の図書館を大きく凌駕する量の情報が蓄積されていると考えられており、さらに日々増加しています。これも、人類の知識を蓄積して提供するという意味で、電子図書館の一つと捉えることもできます。また、電子化された情報は、検索が簡単にできる、大量の情報から新たな知識を発見することができる、関連する情報をリンクすることができるなど、紙媒体の情報では困難あるいは不可能だったさまざまなことが実現可能になります。

 本講座では、まず電子図書館のこれまでの発展の歴史と最近の事例をいくつか紹介し、さらに電子図書館への活用が見込まれる最新の情報技術を紹介することで、デジタル時代における図書館の新たな役割と今後の発展の可能性や課題について、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。