2016年1月23日 (第3154回)

海外の図書館から見た日本語文献の電子化

国際日本文化研究センター 図書館 資料課 資料利用係長 江上 敏哲

 海外には日本について研究している研究者や学生がいます。このような人たちが必要としているのが、日本語で書かれ日本で生まれた文献・資料です。これらが図書館やインターネットなどを通して海外のユーザにスムーズに伝わるかどうかが、世界への日本の発信力を左右することになります。しかし実際には多くの困難が伴い、その解消には日本側の幅広い方々の理解と支援を必要とします。

 特に日本の文献・資料は他の国に比べてデジタル化とデジタル環境の整備が大幅に遅れています。欧米にしろ中韓にしろ、研究のデジタル環境は大きく整備され、e-resourceは豊富に所蔵されています。その中で日本についての資料・情報だけが紙に頼るしかないという問題があります。

 昨今、海欧米における日本研究の退潮傾向が懸念されています。この傾向と、日本資料・日本情報へのアクセスの障壁とは決して無関係ではありません。

 ユーザと文献・資料とをつなぐ図書館のはたらきは、デジタルによって国を越えることができるのかどうか、考えたいと思います。