2016年3月5日 (第3158回)

エネルギー問題のトリレンマと不確実性 ―日本は原子力発電(原発)をやめるべきか、続けるべきか

立命館大学 政策科学部 教授 周 瑋生

zhou1

 エネルギー問題は、経済成長と環境保全とトリレンマの関係にあり、常に不確実性を伴う。地球の表面積のわずか0.07%でありながら、全世界の原発の約13%を占める日本が原子力発電をやめるべきか・続けるべきかという政策命題は、東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故によりさらにクローズアップされた。本講座では、人類とエネルギーとのかかわり(文明論の視点)、エネルギー政策を決める基本原則、エネルギー供給と消費の特徴、経済性・安全性・環境性からみた原子力利用のメリットとデメリット、福島第一原発事故後の原発に関する国際世論の変化、世界の国別原発事象事故原因の統計分析、福島第一原発事故前後の原発の有無による日本の社会、経済、環境への影響に関する計量分析(壮大な社会実験)、日本以外の周辺国(中国、韓国の動き)などから、長所短所を併せ持つ原発を、時間軸、地域軸と共に、いかにして各種リスクを最小にして利用するかというエネルギー政策のベスト・ミックスについて総合的に解説し、聴講者の皆様と一緒に日本ひいては世界のエネルギー政策特に原子力政策の在り方について考えていきたい。