2016年3月26日 (第3161回)
これからのエネルギー社会において地域から発信する健康で省エネ・ゼロエネとなる住宅
立命館大学 理工学部 教授 近本 智行
昨年末、地球温暖化の国際的枠組み「パリ協定」の採択が話題になりましたが、馴染みのない話のように思っておられる方も多いように思います。しかし、震災以降、節電や省エネを気にした生活を心がけたり、電力自由化や原発の再稼働が気になったりしておられるのではないでしょうか。
エネルギーのあり方が大きく変化してゆく中でも、住まいは生活の基本です。住まいのつくり方の違いで疾患にかかる比率も異なってくることが知られています。また、例えば京都の伝統的な京町家など、世代を超えて永く使い続けられている住まいも多く、建具の入れ替えなどで季節の変化を楽しみ、伝統的な暮らし方を守っています。
住まいそのものでエネルギーを創り、必要なエネルギー消費を抑えるよう工夫した未来の住宅から、文化を継承しながらも快適で生活を豊かにする工夫を取り上げ、これからの健康でエネルギーを使わない住まいのあり方を考えてゆきたいと思います。