2017年10月7日

<基調講演>京都・若狭文化財の継承保存と文化行政

冷泉家第25代当主 冷泉 為人 氏

 社会、経済、生活環境の変化により、文化財の保存継承を取り巻く人材、技術、財源などの環境も変化しつつある。特に近年、過疎化や高齢化などの社会的環境の変化に伴い、文化財の後継者問題や、保存修復に伴う資金不足問題、保護・管理に関する情報や知識の不足など様々な問題が顕在化している。

 文化財の修復は、基本的に原初の形態に修理修復することが原則である。国からの補助金は、国の文化財、すなわち国宝、重要文化財に限って交付され、国、ならびに地方行政(都道府県、市町村)がそれぞれに負担し、その残りを所有者が負担することになる。その中で、文化庁の指導と管理がある。種々多様な規制があると同時に様々な課題を抱えている。たとえば、日本の文化財の継承保存、修理修復の関する予算は、海外の諸国に比べて極めて少ない。文化財を継承保存していくためには、「ヒト、モノ、カネ」の拡充と調整が必要となる。車輪の「ハブ」にある文化庁・都道府県の役所は、文化財継承保存と教育活動に取り組み、適切な文化行政政策と施策を立案、実施していくことが重要である。