2006年5月20日 (第2772回)
日韓『過去清算』の焦点と課題―植民地の歴史をどう見るのか
立命館大学 コリア研究センター専任研究員 庵逧由香
日韓ワールドカップ共催以後、「韓流」の流行をはじめとして、様々な分野での日韓交流がこれまでになく活発になっています。しかし一方で、歴史教科書問題や靖国神社参拝問題などに見られるように、過去の歴史をめぐる問題は、大きな課題としていまだに解決できないまま両国の間に存在します。
日韓で最も鋭い意見の対立を見せるのが、植民地期の歴史をめぐる評価の問題です。この問題は、歴史事実の知識だけではなく、様々な角度から検討してみる必要があります。
本講演では、戦後60年以上たった今でもなぜこの問題が解決されないままなのかを、両国のこの問題に対する認識の違いや、両国での歴史認識相互理解への取り組みの歴史を中心にお話してみたいと思います。
日本でも韓国でも、戦前(韓国では植民地期)を経験しない人々の人口の方が多くなりつつあります。このような現在、この問題をどうしたら解決できるのか、何が課題なのかを皆様とご一緒に考えられればと思います。