2018年3月24日 (第3234回)

元気と病気のステキな関係 ~人生100年時代の健幸学~

おおい町国保名田庄診療所 所長・医師 中村 伸一

 「がんの末期でも、この人は健康だな」と診察中に感じたことがあります。それはなぜでしょう?そもそも健康とは、どう定義すればよいのでしょう?

 また、世の中には「健康のためなら死んでもいい」という極端な健康マニアもいますが、いったい何のための健康なのでしょう?

 健康は、幸福になるための手段のはず。ならば、幸福とは何かを考えると。。。

 戦後の経済成長で我国の一人当たりGDP(国内総生産)は上昇したのに、日本人の幸福度は変わりませんでした。また、アメリカ人の年齢別幸福度は30代で最低ですが、その後は上昇します。日本人では、調査開始時の15歳がピークで、年齢とともに幸福度は減少します。私たち日本人は年齢を重ねても、もっと幸せを感じてよいはずです。

 最近、幸せになるための具体的方法が、学問的に証明されつつあります。笑顔で暮らしたり、ポジティブな考え方をもったり、感謝の気持ちを伝えたり、人とつながりをもったり、自分の強みを活かして行動したりすることで、幸福度は確実にアップします。従来の道徳や宗教の教えは、本当に正しかったようです。

 人生100年時代に向けて、私たちが健やかで幸せになる方法を一緒に探っていきましょう!