2006年6月24日 (第2777回)

京都を視るデジタルマップ/デジタルジオラマ

文学部助教授 中谷 友樹

 この講義では、京都という「まち」を考えるデジタルなツールとして、地理情報システム(GIS)とその地理的な可視化の可能性に焦点をあてます。

 現代の測量成果物や国勢調査、あるいは古地図や空中写真のような各種の地理的な記録は、デジタル化された後、GISという情報基盤を通してまとめられ、様々な新しい地図を作り出します。その地図は時には平面的な地図(マップ)の姿をとり、時にはまち並み景観を立体的に再現するジオラマとなります。

 これらは、一定のリズムを刻みながらも、刻々と変化する景観や、まち並みの背後にある様々な社会的な営みを、またある時には犯罪や災害のような迫り来る危険を,分かりやすく教えてくれます。

 この講義では、GISというデジタル技術が発達した経緯とともに、デジタルマップあるいはデジタルジオラマを通して、京都の景観とその背後にある社会を「視る」試みについてお話したいと思います。