2020年2月22日 (第3303回)

地図に描かれた近代京都における災害への対応

立命館大学文学部 准教授 河角 直美

 近年、日本各地で毎年のように洪水や土砂崩れが発生しています。ふだんとちがった様相を見せる河川の姿に恐怖を覚え、日々の備えの必要性を改めて感じることもあるのではないでしょうか。  

 1200年以上の歴史を有する京都においても、いくどとなく災害が発生してきました。たとえば賀茂川(鴨川)の洪水は、白河法皇が「天下三不如意」のひとつとしたように、京に暮らす人々を悩ませてきたのです。氾濫を繰り返す鴨川や桂川、そして紙屋川の治水は、どのように行なわれてきたのでしょうか。

 今回の土曜講座では、平安京の建設された京都の地形や植生といった自然環境についてあらためてふりかえりながら、近代期のさまざまな地図(地形図や都市計画図)を読み解くことで、近代京都における災害への対応を検討してみたいと思います。

 過去の対応を顧みることが、今後も起こりうるであろう災害への備えについて考える契機となれば幸いです。