2020年11月7日(第3326回)

青年期以降のバイリンガリズム

立命館大学大学院 言語教育情報研究科 教授 田浦 秀幸

 ペラペラと英語を話す人がバイリンガルでしょうか?幼い頃から英語学習を始めると日本語力に影響が出るとの意見が、小学校英語教育導入反対派から出ていますが、中高生が留学しても大丈夫なのでしょうか?もし母語に影響が出るとすれば、バイリンガルの人たちに利点はあるのでしょうか?既に2言語に堪能なバイリンガルがプロの通訳になっても、それ以上言語力に向上は見られないのでしょうか?認知症発症年齢がバイリンガルではモノリンガル(単言語話者)に比べて遅れるとのデータがカナダで報告されていますが、日本のバイリンガルにも当てはまるのでしょうか?  本講座では、思春期以降(小学校卒業後)のバイリンガルに焦点を絞って、上記の点に関して、言語力と脳の働きの両面からお話をしようと思います。