2021年5月29日(第3334回)

認知症の人への理解と介護家族へのエール

公益社団法人 認知症の人と家族の会 前代表理事 高見国生

 「認知症にだけはなりたくない!」と思っていませんか?

 「高血圧だけにはなりたくない」とか「糖尿病にだけはなりたくない」などとは思わないのに、どうして「認知症」にだけはそう思うのでしょうか。

 それは、①認知症になると何もできなく、分からなくなり、人間としての価値がなくなるから。②家族に迷惑をかけるから。そう思っているからではないでしょうか。

 もしその二つがそうではないと分かったら、認知症への見方が変わり、接し方も変わってきます。

 認知症の人は何もわからない人ではありません。「ぼけても心は生きている」のです。

 また、家族だけに介護を押し付けなければ家族の苦労は減らしていけます。社会の取り組みが進めば家族の苦労は軽減できるのです。

 それらのことについて、みなさんと一緒に考えたいと思います。