2021年6月12日(第3335回)

移動する権利・移動できる権利  ――コロナをきっかけに「手助けが必要な人」からの脱却

バリアフリー研究所 代表 木島英登

 約30年前、ラグビー部の練習中に背骨を骨折、車いす生活になりました。車イスでも旅行がしたい!大学1年生の時に行った米国ホームステイは運命を変えてくれました。世界旅はライフワークとなり、175か国を訪問。設備のあるところ、ないところ、どこでも行きます。バリアフリーの進んだ地域では、障害者を特別視せず、簡単に、自然に、共生できるように配慮をしています。日本は、障害者と健常者と分けてしまい、過剰な設備やサービスが特徴です。事業者側にも過度な負担になることなく、互いの歩み寄り。やってあげる福祉精神からの脱却。適切な環境があれば、障害者=手伝いが必要な人にはなりません。行ける場所でなく、行きたい場所に。誰もが自由に動ける社会。世界各国の事例を交えながら、アクセシビリティ(移動権)について考えます。