2006年8月26日 (第2784回)

窓口で支払うお金の不思議

立命館保健センター所長・医師・教授 伊東 宏

 わが国の医療の現場で行われる診療のほとんどが医療保険を用いた保険診療です。しかし、患者さんの多くは、保険診療の診療費がどのようなルールで計算されているのか、ほとんど知らないのではないでしょうか? しかし、「同じ薬をもらっているのに、何故毎回料金が違うの?」、「何故、院外処方になると高くなるの?」、「ジェネリック薬品に替えてもらったのにそれほど安くならない」とか、日々疑問に思うことも多いと思います。

 この4月には、診療報酬の改正があり、点数が下げられただけでなく、「禁煙指導の保険適応」、「セカンドオピニオン紹介状の保険適応」、「領収書明細の発行」など、患者の利益が向上する種々の新しいしくみも導入されました。

 個人的な話ですが、私は大学に籍を置きながら、4月からすぐ近くで内科医院を開業しました。開業医がまず勉強しなければならないのがこの保険診療のしくみです。現在もまだ修行中ではありますが、診療報酬計算のしくみや、改正後の新しいしくみについても、具体的な例を示しながら、皆さんと一緒に分析して考えてみたいと思います。