2021年1月22日(第3349回)

デジタル・アーカイブによる地域文化資源の発見と活用

立命館大学文学部 特任助教 佐藤 弘隆

 日本を代表する歴史文化都市である京都には、有形・無形の地域文化が数多く残されています。これらは、研究はもちろんのこと、地域のまちづくりや観光にも活用でき、都市の文化的な価値や魅力を高める貴重な資源として重要です。しかし、このような地域文化資源は、必ずしも皆さんの目に触れられ、活用できる環境にあるとは限りません。地域に残された大多数の文化資源は、公開や活用どころか、整理・保管するのがやっとであり、居住者の入れ替わりや高齢化のため、散逸の危機にあるものも少ないのです。本講座では、アート・リサーチセンターや文学部京都学専攻などのプロジェクトのなかから、講師が中心となって取り組んできた、祇園祭や長江家住宅、木島櫻谷旧邸などでのデジタル・アーカイブと、それらのアーカイブデータを利用した研究成果を紹介しながら、地域文化資源の活用、継承について検討します。そしてこの講座が、皆さんにとって新たな地域文化資源を発見し、活用していくための契機になればと考えます。