2006年9月9日 (第2786回)

世界に見るデジタルコンテンツ産業の現状と展望

政策科学部助教授 中村 彰憲

 常時接続、大容量の情報配信を可能としたブロードバンドインターネット接続の爆発的な普及は、インターネットによりもたらされたグローバルネットワークの本格的な活用を促進するとともに、様々な業種の事業形態やメディアのあり方に抜本的な変化をもたらしました。

 この大きな時代の潮流の中で、映画、ゲーム、アニメといった映像作品の開発手法も世界規模で確実に変化が訪れています。同時にアジア諸国もこれら、一連の開発プロセスの変化を受けて、ICT産業(情報通信産業)におけるコンテンツ開発の重要性を認識し、同産業の育成に力を注ぎはじめています。

 本講義においては、インターネットにおけるグローバルネットワークを有効活用して開発が展開されたコンテンツの事例や、アジア諸国におけるコンテンツ産業支援政策、ならびに次世代のコンテンツ開発を見据えた同地域における大学教育などを紹介しながら、インターネットがもたらした「チープ革命」や世界の「フラット化」がコンテンツ開発プロセスにおいてどのように影響を与えているのかについて探求します。