2006年9月16日 (第2787回)

現実と仮想:ディジタル映像の最新技術

情報理工学部教授 大島 登志一

 最近の大作映画では、派手なアクション映画やSF映画でなくとも、その製作過程でコンピュータグラフィックスに代表されるデジタル映像技術が不可欠になっています。また、さまざまな映像メディアが、作り手から受け手への一方向だけでなく、双方向のコミュニケーションへと進化しようとしています。映像コンテンツ自体も、ビデオゲームやパソコンのソフトのように視聴者が働きかけることで変化する「インタラクティブ」なものを楽しむことが多くなってきました。

 昨今の様々な映像コンテンツは総じて、単に視覚に関する技術だけでなく、コミュニケーション技術や、ユーザがシステムと「対話」するためのヒューマン・インタフェース技術に裏打ちされているのです。

 今回の講演では、そのような技術を総合的に取り扱う、映像技術とインタラクション技術に関する世界最大の国際技術 “SIGGRAPH”(シーグラフ)での最新トピックを交えながら、デジタル映像の現実と未来をみなさんと共に考えてみたいと思います。