2023年1月14日(第3371回)

「障害のある教員」の職場復帰のプロセスと課題

立命館大学産業社会学部 教授 大谷いづみ

 2019年1月、文部科学省は、「障害者活躍推進プラン」を発表し、障害のある教師等の活躍は、障害のある児童生徒等のロールモデルになるだけでなく、すべての児童生徒等にたいして、共生社会に向けた「隠れたカリキュラム」になるとしてその推進を打ち出しました。そのためには、「障害のある教員」の存在はもちろん、何らかの理由で就労中断を余儀なくされた際の「職場復帰」のありかたも視野に入ってきます。

 もちろん、「障害のある教員」の職場復帰は、もともと障害のある教員に限りません。誰でも、突然の事故や思いがけない病で、「障害のある教員」になる可能性を持っているからです。

 本講座では、2021年1月、脳卒中で右半身と強度の失語症に見舞われながら、1年余に及ぶリハビリテーションを経て、2022年4月に重度の障害をもって学長職に完全復帰された、立命館アジア太平洋大学(APU)の出口治明先生からメッセージをいただきます。また、これまで身近に見知った「障害のある教員」や自身の経験もふまえて、「障害のある教員」の職場復帰のプロセスと課題を考えてみたいと思います。